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経済学方法論の多元性―歴史的視点から

只腰親和・佐々木憲介編

出版年月2018年6月

ISBNコード978-4-909560-25-4

本体価格  5,500円

A5判

縦380頁

​執筆者

只腰 親和 (序、第7章担当) 中央大学経済学部 教授

佐々木憲介 (第1章担当、第10章コメント) 北海道大学経済学研究院  教授
原谷 直樹 (第2章担当、第5章コメント)

                     群馬県立女子大学国際コミュニケーション学部  准教授
松本 哲人 (第3章担当、第7章コメント) 徳島文理大学短期大学部 講師
上宮 智之 (第4章担当、第8章コメント) 大阪経済大学経済学部 准教授
江頭  進 (第5章担当、第9章コメント) 小樽商科大学商学部 教授
久保  真 (第6章担当、第4章コメント) 関西学院大学経済学部 教授
廣瀬 弘毅 (第8章担当、第2章コメント) 福井県立大学経済学部 准教授
石田 教子 (第9章担当、第1章コメント) 日本大学経済学部 准教授
中澤 信彦 (第10 章担当、第6章コメント) 関西大学経済学部 教授

松井 名津 (第3章コメント) 松山大学経済学部 教授

内容

 本書は、経済学方法論という共通のテーマについて、経済学史のさまざまな時代の専門研究者がそれぞれの立場から課題に取り組んだ書物である。現に行われている実質的な経済学の基礎には何らかの方法論があるはずであるが、それは必ずしも明白ではなく、また著者本人も自覚しているわけではない。多くの場合に暗黙のうちに前提とされている方法論を解明すること、本書はまずもってこの課題に取り組んでいる。本書の各部は「哲学的」「自然科学的」「社会的」「実践的」という各次元で構成されているが、この分類は、経済学方法論の諸問題を整序するうえで、一つの有効な提案となるであろう。本書の執筆者が集う研究グループ「経済学方法論フォーラム」は2006年に立ち上げられ、その後10年以上にわたって継続して共同研究に携わっている。各論文は、それぞれ独立したものであると同時に、討論によって磨かれた成果でもある。

 

 

目次

序   

 

 第1 部 経済学方法論の哲学的次元

 

第1章 経済理論における因果関係と相互依存関係

―シュンペーターはどのように考えたのか                          

はじめに

第1節 『本質』と『発展』

第2節 経済発展論

第3節 景気循環論  

第4節 道具箱としての経済理論 

おわりに

 

第2章 存在論はなぜ経済学方法論の問題になるのか

―方法論の現代的展開

はじめに

第1節 経済学の存在論とは何か?

第2節 経済学における実在論の問題

第3節 経済学方法論における存在論

結 論

 

 第2 部 経済学方法論の自然科学的次元

第3章 宗教・哲学・経済学

―J・プリーストリーにおける自然哲学と道徳哲学 

はじめに

第1節 ユニテリアニズムと哲学的必然論

第2節 二つの哲学体系と知識の拡大

第3節 道徳哲学と哲学的必然論――国制論と経済論に着目して

結 論

 

第4章 数理経済学者たちの数学導入に対する認識

―ジェヴォンズ主義、マーシャル主義とエッジワース

はじめに

第1節 ジェヴォンズとマーシャルの数学導入構想

第2節 エッジワースの初期二著作にみられる数学導入

第3節 ジェヴォンズ、マーシャルのエッジワースへの反応

第4節 エッジワースは「マーシャル主義」となったのか

結語にかえて

 

第5章 経済学実験の位置付け 

はじめに

第1節 ポパーの批判の意味

第2節 経済学史上の理論と実在の距離

第3節 経済学における実験の現場

第4節 構成主義的理論構築と厚生経済学

まとめ 

 第3 部 経済学方法論の社会的次元

第6章 1830年代イギリス統計運動における経済学の方法的刷新

─経済学と統計学はどのような関係にあったのか── 

はじめに

第1節 イギリス科学振興協会1831―1833

第2節 アドルフ・ケトレ、ケンブリッジ、「社会力学」と経済学

第3節 統計部会設置(1833)──ケンブリッジのクーデター

結語にかえて

 

第7章 ウェイトリのカタラクティクスとスミス分業論の関連 

第1節 経済学史上におけるカタラクティクス

第2節 スミスの分業論的学問論とウェイトリ

第3節 ウェイクフィールド『国富論』註解とウェイトリ

第4節 ウェイトリ『講義』の分業論

第5節 ウェイトリにおけるカタラクティクスの方法論的意義

第6節 ウェイトリ経済学方法論の社会的背景

 

第8章 現代経済学における方法論的対立

―マクロ経済学を中心に―― 

はじめに

第1節 ケインズ反革命

第2節 二段階の革命

第3節 方法論の転換がもたらしたもの

結 語

 

 第4 部 経済学方法論の実践的次元

第9章 「経済人」という人間本性概念を乗り越える

―ヴェブレンの経済学リハビリテーション・プラン 

はじめに

第1節 経済学における人間本性の再考

第2節 人間の社会性と社会の動態性

第3節 経済のダイナミクスと歴史の相対性

第4節 因果関係認識を質的な範疇によって補完する

おわりに

 

第10章 政府の「なすべきこと」と「なすべからざること」

―ケインズはムーアとバークから何を学んだのか

はじめに

第1節 ケインズとムーア

第2節 ケインズとバーク――『バーク論』(1904)をめぐって

第3節 ケインズとバーク――『自由放任の終焉』(1926)をめぐって          

結びにかえて

あとがき

 

『日本占領期性売買 GHQ関係資料』

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